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世にも不思議な夢(2)

2005-06-14

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chaumon.jpg

そうして幾度も同じ夢を見ることの続いたある日。とうとう夢は動いたのです。その日は夢の始まりも、また違いました。夢は、あの男性が怒鳴り声を上げた、そこから始まったのです。


「戻りますよ、ムッシュー」
注意を無視した私に非があるのは明らかだったが、それにしたって客人として招かれている私が、城の使用人に怒鳴られたのは良い気がしなかった。
「しかし、本当に知って欲しくないものならわざわざ『禁じられている』などとは言わないものですよ。もっと上手い誤魔化し方があったはずだ。あなたの言い回しだとまるで『どうぞ覗いて下さい』とでも言っているように受け取られても仕方のないことだと思いますがね」
我ながら屁理屈もよいところだ、と思いながらじっと男性を見据えた。
男性も鋭い目つきで私を見る。

どれくらい経ったのだろうか。男性がふっと目つきを弱め、降参したような口調で言った。
「諦めの悪い方ですね。仕方ありません、これ以上何を申し上げてもお客様は中を見ることが出来るまで何度でもこちらにいらっしゃることでしょう。特別に、お見せすることに致します」
何と、本当に見せて貰えるとは思わなかった。
屁理屈でも何でも、粘った甲斐があったというものだ。
「ただし」
男性が付け足した。
「こちらの扉をお開けすることは出来ません。この部屋には2つ、扉が通じているのです。もう一方の扉からご案内致しましょう」

―扉一つで一体何が変わるというのだ、つくづく訳が解らない

そう思ったが、男性が妥協してくれたのであるから、ここは私も妥協して当然だろう。私は大人しく男性の後ろをついていくことにした。どうやら例の扉の反対側へと回りこんでいるようだった。

少しして、一つの扉の前にたどり着いた。
例の部屋へと通じる、もう片方の扉というのはこのことらしい。男性が大きな鍵の束を取り出して、その一つを鍵穴へと差し込んだ。

ガチャリ

錠の上がる音がする。
すると、男性は一歩下がって私に言った。
「さぁ、どうぞ。ご所望のお部屋です」
私はごくり、と唾を呑み込んだ。
見てみたいとは思うもの、いざとなると少し、怖い気もした。

キィイ―……

そろり、と扉を開けた。
何があるのだろう。。
一呼吸おいて、中を覗いてみた。


……
………
……………





何てことだ!



扉の向こうは辺り一面血の海だった

鼻を突く、鉄の匂い。石で出来た床も、壁も悉く血に染まって赤茶けた色をしていたのだ。見渡せば所狭しと並べられているのは、ありとあらゆる拷問器具だった。

一瞬、よからぬことが頭を駆け巡り、血の気が引いた。

ひょっとして、私も殺されるのではないか
そうでなければ、こんな所、見せるはずもない。

心底、自分の好奇心を恨んで男性の方をちらりと見た。男性はそんな私の心を見通しているようだった。
男性の手が伸びる。

やめろ…!


やめてくれ…!!








………………!!












                       「ムッシュー、気が済みましたか」








男性はそういうと私の腕を掴んで扉の外へと押し出した。
「このような所に長くいると、気分が悪くなります」





―も・もう駄目だとおもったのに…

安心した私は、へなへなと床に座りこんでしまった。

「あのような部屋は滅多やたらに開くべきものではありません。ご注意申し上げた意味が解りましたか?」
まるで子ども扱いだ。
けれど私にはぐぅとも言う気力が残っていなかった。
「私どもとしましても、この城の暗い側面を吹聴されては困るものですから。落ち着かれましたら、早急にお部屋へ参りましょう。じき、夕食でございます。或いはお召し上がりになれないかもしれませんね。気分は如何です」
「あ…部屋に行って…少し休みたい。。」
そう言うと、男性は私の腕を引っ張って私を起こし上げた。
「それが宜しいでしょう」
男性が、やれやれと言う風に笑った。

バツが悪すぎて私は何とも言えなかったが、部屋に案内されて
「すみませんでした」
というので精一杯だった。
男性は相変わらず、やれやれ、と言った風である。
「夕食には欠席されると、ご主人様にはお伝えしておきますよ」
そう言うと、出て行こうとした。




「待ってください!」





男性が立ち止まる。
驚いた顔をしている。
「少し元気になられたようですね」

自分でも驚いた。今叫んだのは、私か?
気分が悪くてそれどころじゃないのに、一体どの口が言葉を発したのだろう。
しかし、何故呼び止めたのかははっきり解っていた。初めの扉が、気にかかっていたのだ。

「あなたはわざわざ違う扉から私を案内しましたね。あれは、何故です?」
男性が少し眉を顰める。
「たった今、痛い目をみたばっかりだというのに、懲りない方ですね」
我ながら、自分でも呆れる。
男性が、ふぅっとため息をつく。


「あの部屋をご覧になってしまったからには隠しだてても大して意味はありませんね。宜しいでしょう、お答えします。つまり、こういうことなのです。あの部屋はご覧になったように、拷問部屋です。良いですか、拷問を行うには二当事者が必要ですね」
「…拷問をする側と…される側…?」
「その通りです。あの2つの扉はそれらの象徴なのです。お客様をお通しした扉は執行側の通る扉。そしてお客様が初めに興味を示された扉は執行される側の通る扉なのです」






!!








さて、夢はここで終わりました。私は飛び起きたときにはもう、冷や汗でびっしょり(笑)最初の扉を強行突破していたら、ひょっとして私は殺されていたのかしら?!なんて考えたりしました。

不思議なことに、扉の先にあるものを見てから以降、この夢を見ることはぷっつりとなくなりました。しかし、あまりに鮮明な夢で、あまりに繰り返し見たものですから、ふと、「あの城は実在する城なのではないか」というとんでもない考えが浮かんできたのです。

城の姿形は、はっきり覚えていたので、その後あてもなくネット上で色々調べてみました。
すると、なんと私の見た城は本当に実在する城だったのです。

その名も、シャウモン城。(写真)
11世紀に建築された城らしいのですが、一度取り潰されて、15世紀に再建されたフランスの古城です。幼い頃ヨーロッパに住んでいたのでひょっとしたら、昔の潜在的な記憶が残っていたのかもしれない。そう思い、母様に同城に行ったことはあるかと確認してみたのですけれども、どうやら行ったことはないようです。何故全く見も知らない城があれほど鮮明に夢に出てきたのか、未だに謎です。このときはかなり真剣に「前世ってあるのかしら…」などということも考えましたけれど、考えて答えが出ることでもないですし(笑)

夢のメッセージも判らず終いですが、とりあえずきっと生涯不動でナンバー1の奇妙な夢だと思っております。

そして私はひっそりと思うのです。
きっとあの城のどこかに拷問部屋が隠されているに違いない、と(笑)

長い長い文章最後までお付き合い下さってありがとうございました!確認もせずに、わぁっと書いているので文体やら間の取り方やら、若干おかしな部分も或いはあるかと思いますが、そこはそれ、ご愛嬌ということで!

以上
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erica/anego

  • Author:erica/anego

  • 都内某大学法学部卒。
    弁護士目指して法律のお勉強中。もっともこのブログで法律に言及することは殆どありません。この場は基本的に、頭を使わない場として私の中で位置づけられているので、何かを主張するというよりは、備忘録的に日々の記録を展開しています(不定期更新)。こんな非生産的なブログですが、息抜きがてらに遊びにきて貰えれば幸いです。

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